ニンジャリアン         「評価 C」
闇に紛れて暗躍し、手裏剣投げて人を狩る。奴こそは宇宙のハンター、ニンジャリアンだ! アメリカの湖畔地帯に降り立ったニンジャリアンは、無数の宇宙手裏剣を武器に恐るべきマンハントを開始した。たまたまハイキングに来ていたグレッグたち四人の若者はニンジャリアンの標的にされてしまい、一人また一人と惨殺されていく。しかも近所にはベトナム帰りのクレイジーな老人ドブスが住んでいて、グレッグたちを宇宙人扱いして襲い掛かってきた…。
ニンジャリアンと人類との局地的な闘争を描いたSFアクション映画。ニンジャリアンは被り物っぽさが滲み出ている頭にボロボロの布切れを纏っただけの貧相な外見で、そのためなのかクライマックス直前になるまで全く姿を現さない。そんな彼の代わりに前半部分で画面に出てくるのが、彼の投げる宇宙手裏剣だ。ヒトデのような形状をしたこの手裏剣は生命を持っており、ヒュルヒュル回転しながら飛んできては、相手の体に張り付いて血肉を喰らう。相手の皮膚にトゲを刺して自らの身体を固定する様子や、車のフロントガラス越しに牙の生えた口が見えるカット、張り付いた手裏剣を剥がそうとすると黄色い体液が飛び出る描写など、単体のモンスターとしての魅力を感じさせる箇所が多く、むしろ持ち主のニンジャリアンよりも存在感があった。
またこの映画、第二の敵として登場するドブスのキレた性格も印象的。映画の中盤が完全に彼の独壇場となっていて、ただでさえ宇宙手裏剣に食われているニンジャリアンの存在感がより一層薄らいでいたのはどうかと思ったが、拳銃を撃ち鳴らしてパトカーで主人公達を追い回す彼の姿は実にサイケな味わいに溢れていたのだ。
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