トロル2 悪魔の森 「評価 D」
少年ジョシュアは両親や姉と一緒に、夏休みの間をニルボグ村の民家で過ごすことになった。豊かな森に面したこの村は空気も綺麗で都会の喧騒を忘れさせる。それに村の住民たちはとても親切で、野菜料理を作ってくれたり歓迎パーティーを開いてくれたりと、家族に非常に懇意にしてくれた。だがジョシュアは、そんな彼らの好意を頑なに拒絶し続けたのだ。何故なら死んだ祖父の幽霊が度々ジョシュアの前に現れ、「村人たちの正体は邪悪なゴブリンだ」と警告を発していたのである。しかも彼らの料理を食べると全身が植物に変わり、ゴブリンの餌となってしまうらしい。そこでジョシュアは村人の料理を滅茶苦茶にして家族を守ろうとするが、幽霊が見えない両親たちはジョシュアの言うことなど当然信じてはくれない。孤立無援で途方に暮れるジョシュア。しかしそんな中、祖父の幽霊が放った魔法によって村人の一人がおぞましい真の姿を晒した。それを目の当たりにした両親は息子の話が正しかったことを思い知るが、一方で正体を見抜かれた村人たちは本性を表し、彼ら一家に牙を剥いてきた…。
ゴブリンと魔女と幽霊しか出てこないのに、何故か「トロル」の続編となっているファンタジック・ホラー(ちなみに原題も「TROLLU」)。一応「親の無理解に苦労する少年」という基本図式は一緒だが、魔女の助けを借りながらも最後は自力で妹の救出に向かっていた前作のハリーJrとは違い、本作のジョシュア少年は最初から最後まで祖父の幽霊に頼りっきりなのはいただけなかった。クライマックスのゴブリン軍団との対決においてもジョシュアは祖父から貰った切り札を使っただけで、まるで主人公らしい活躍を見せてくれないのだ。これ以外にも本作のストーリーは突っ込み所が満載で、祖父が早く魔法を使っていればジョシュアは苦労する必要がなかったとか、何の前触れも無しに交霊術なんて単語が出てくるとか、クライマックスで家族が瞬間移動しているとか、枚挙に暇がない。あまりに御都合主義すぎる脚本に頭が痛くなってくる作品だった。
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