トロル 「評価 C」
ハリーたちポッター家の面々は、ある小さなアパートへと引っ越してきた。ところが荷物の運び入れが終わった直後、娘のウェンディはアパートの地下に潜んでいたトロルに遭遇。悪戯好きのトロルは彼女を妖精の世界に閉じ込めると、魔法で彼女に姿を変え、家族の中に紛れ込んだのである。人間に姿を変えたのをいいことに、トロルはアパートの中でやりたい放題。警報機を鳴らし、物を投げ、「私はゴジラだ」と喚き出す様に、兄のハリーJrは何者かがウェンディに成り代わったのではないかと疑いを抱いたが、両親はそんな息子の話にまるで聞く耳を持ってくれなかった。そんな内にもトロルは魔法を使って、アパートの住民たちを次々と妖精に変えていく。やがてハリーJrはアパートに住んでいた魔女のクレアからトロルの存在を教えられ、ウェンディを助け出しに妖精の世界に行くことを決意する…。
「グーリーズ」に続く、エンパイア・ピクチャーズが世に送り出した「グレムリン」モドキ映画の第二弾。作品の顔のトロルは小人俳優のフィル・フォンダカーロが着ぐるみで演じており、地味な外見ながらも本物の人間ならではの演技で存在感を発揮していた。しかし身長が1mぐらいあるので、「グーリーズ」や「クリッター」「まんちぃず」なんかに比べると、あまりミニモンスターという感じはしなかった。一方で人間から作り出される妖精たちは、ちゃんとミニモンスターに相応しい大きさをしており、個性豊かな外見に加えて夜にコーラスを合唱するなんてユーモラスな面も見せてくれた。だがこの連中、セットに固定されているのが殆どなのでろくに動いてくれないのが物足りない。そしてこの映画では、そんな両者がそれぞれの足りない点を補っていたのである。住民達の描写に時間を費やして肝心の対決シーンがおざなりになっていたのは残念だが、ミニモンスター映画としては十分に楽しめる作品だった。
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