サバイバル・オブ・ザ・デッド       「評価 B」
11世紀のルーマニア、300もの人間を虐殺した蛮族の戦士ニコスは、当時の王たちによって裁かれて命を落とした。そして時は流れて現代、ニューヨークのビルでルーマニア美術展が開かれ、ニコスが死んだときに被っていた仮面も箱に詰められ保管されていた。ところがその仮面にはニコスの怨念が込められており、仮面に人間の血液が触れた瞬間、ニコスは地獄から蘇り人々を襲い始めたのである。そこで美術展に来ていたフランクは、何とか彼を封印しようとニューヨーク中を駆け回る。だがニコスは己の魔力でサキュバスやゾンビやニンジャたちを生み出し、暗黒の軍団を築こうとしていたのだ…。
「マニアック2001」「悪魔のえじき ブルータル・デビル・プロジェクト」のアンドレアス・シュナッス監督が、お馴染みのドイツを離れてニューヨークで撮影を行ったスプラッターホラー。駄作の集うJVD社の「DEEP RED」レーベルでリリースされたものだから、てっきり物凄い退屈な作品なのかと思ったがとんでもない。首を落とし、腕を引きちぎり、顔をスライスし、内臓をつかみ出し、胴体を半分に折りたたみ──なんて残酷シーンが殆ど間を置くことなく立て続けに出てくるという、相変わらずのシュナッス節が炸裂した内容で非常に安心させられた。特に老婆の腹に剣を貫通させ、そのまま刃を振り上げて彼女の上半身を真っ二つにするカットは、その流れるような動きが何とも美しく、監督の拘りを感じさせた。しかも本作ではニコスの役をシュナッス監督自身が演じており、血反吐を吐きながら自分の腸を食いちぎる変態演技を披露してくれるから堪らない。インディーズ色の濃厚だった「VIOLENT SHIT」シリーズに比べると若干小奇麗に纏まり過ぎている感があり、またクライマックスの対決が非常に呆気なく終わり、ゾンビやニンジャたちが何のために出てきたのかがまるで分からないのは残念だが、それでもシュナッス監督のファンならばきっと満足できるだろう。
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