サタンクロース 「評価 B」
クリスマスイブの日、ヘルタウンの家々では例年通りに楽しいクリスマスパーティーが行われていた。ところがその年のクリスマスは、一つだけ違うところがあった。それまで子供たちに笑顔を与えてきたはずのサンタが、いきなり巨大トナカイを率いて人間を襲い始めたのである。元々サンタはサタンの申し子で、絶えず破壊と殺戮を繰り返す存在だった。しかし天使とのカーリング対決に負けたのが切っ掛けで、サンタは1000年間だけクリスマスの日に善行を積まなければならなくなったのだ。そして今年、禁を解かれたサンタによって、ヘルタウンは鮮血と混乱に包まれる。発明家の祖父からサンタの凶悪性を教えられたニッキーは、何とかサンタに立ち向かおうと奔走するが…。
「本物のサンタが実は悪人」という設定が、「悪魔のサンタクロース 惨殺の斧」以上にデンジャラスな匂いを漂わせているホラーコメディ。終始ゴキゲンなテンションで殺害を繰り返すサンタの姿がとにかく痛快で、サンタは鉄の扉をブチ破る怪力を発揮するわ、口から火を吐くわ、上空からプレゼント爆弾による空爆攻撃を仕掛けるわと、その素敵なまでの傍若無人ぶりには心を惹かれずにはいられなかった。相棒のトナカイがこれまた「ホワイト・バッファロー」ばりの化け物で、単体で走っている姿だけで貫禄十分だったのもモンスター好きには嬉しいところ。作中のユーモアのセンスも上々で、ユダヤネタやトナカイ狩りの他、エンドロールではスタッフ・キャスト一人一人を「Naughty」か「Nice」かで振り分け、「Nice」のスタッフ・キャストにはプレゼントのマークを付けるなんてお遊び精神もあって微笑ましい気持ちにさせてくれた。ただ残念だったのは、中盤のストリップ小屋襲撃に結構な時間をかけているところだ。サンタが暴れるのがウリの映画なんだから、ここに時間を割くよりも、もっと多くのクリスマスパーティーを地獄絵図に変えて欲しかったように感じられた。
TOP PAGE