メテオ1999            「評価 D」
アメリカの片田舎リロイで、民家や農場が爆発する事件が相次いだ。そこで元爆破物処理班のトムが捜査に駆り出されたものの、手掛かりらしいものは何も見つからず、捜査は難航するばかり。だがそんな時、トムは思わぬ所から事件の真相に辿り着いた。知り合いの天文学者の話では最近アメリカ全土で小隕石群が次々と落下してきているそうで、その落下地点を順に辿っていくと、軌道上にリロイの町があったのだ。しかも隕石の落下がまだ続くというので、トムは急いで住民を避難させようとするが、折りしも町では恒例のUFO祭りが開かれていた…。
90年代後半に数多く製作された天体パニック映画の中でも、屈指の地味度を誇る作品である。話に国家が絡んでくることもないし、カルト教団が出てきたりといったオカルト的要素も皆無。終始しがない田舎町の中の話として完結しており、途中に盛り込まれるエピソードもまた、隕石の落ちた診療所からの脱出とか、保険金を手に入れるためにチンピラに金庫を襲わせようと企む市長とか、随分とスケール感に乏しいものばかりだった。そして「無数の隕石群が降ってくる前に町外れの廃坑に全住民を避難させよう」というクライマックスも隕石が接近してくる描写が無いので全く盛り上がらず、VFXの稚拙さも相俟って非常にゲンナリさせられる。UFO祭りの取材に来ていた男が隕石を直撃して足だけになるカットはチープながらも味が感じられたが、他は取り立てて見るべきところの無い作品だ。
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