チェリー2000          「評価 C」
西暦2017年、愛を忘れた男たちは人工知能搭載型ダッチワイフ「チェリー」を相手に、己の欲望を満たす日々を過ごしていた。大企業に勤めるサムもその一人で、仕事から帰った彼はいつものようにチェリー2000型と一緒に愛を育もうとした。ところがその時、うっかり彼女を泡風呂に入れたのがまずかった。防水加工のされていない彼女の体は途端にショートし、二度と修復不可能なまでに破損してしまったのである。しかもチェリー2000型は既に生産終了しており、新しいものを手に入れるにはネバダ砂漠の奥地にある、閉鎖されたアンドロイド工場まで行かなくてはならないという。それでもチェリー2000型への未練を断ち切れないサムは、回収屋のジョンソンに案内されて無法地帯と化したネバダ砂漠へと出発した…。
モロに「マッドマックス」を彷彿とさせる荒廃した砂漠地帯で繰り広げられるマカロニSF活劇。ダッチワイフを絡めたストーリーだがお色気シーンは大して盛り込まれておらず、むしろ砂漠の独裁者たちとの戦いに重きを置かれた割と健全なアクション映画だ。独裁者のアジトから脱出する際のシークエンスや、サムがわき見運転して事故に遭う場面など、観ていて脱力してしまうような箇所も結構ある。だが戦闘シーンにおいては、電磁石で車を吊り上げられた状態での銃撃戦に、敵陣に包囲された状態でのクライマックスの対決と、シチュエーションに拘りが感じられたのが好印象だった。
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