ブラッド・ダイナー 悪魔のメニュー      「評価 B」
ハリウッドで健康食レストランを経営するジョージとマイケルの兄弟は、死んだ叔父の影響で邪教に傾倒していた。ある日彼らは叔父の墓を掘り起こし、黒魔術の力で彼の脳を蘇生させることに成功する。すると叔父は二人に対し、邪神シーター復活の儀式を行うべく、美女のパーツを集めて完璧な女性の肉体を作れと命じてきたのだ。尊敬する叔父のためにと、町を回って美女を殺し、死体を掻き集める兄弟。だがどうしても大量の肉片が余ってしまうので、残りはレストランの料理に混ぜて客に出すことにしたのだ。すると兄弟の人肉料理は予想外の評判で、店には毎日大勢の客が押し寄せてくるようになった…。
主人公がレストラン経営者で、邪神復活の儀式のために美女のパーツを集める──と、H.G.ルイスの「血の祝祭日」を髣髴とさせるプロットのスプラッター映画。とは言え本作は異様なまでのハイテンションな空気で統一されており、随所にノリノリな音楽が流れて場の雰囲気を過剰に盛り上げる他、殺害シーンも女の頭をホカホカのフライにしたりナタで身体を縦半分にしたりとオーバー気味な演出に溢れている。更に客のオヤジが大量のゲロを吐き散らすわ、ジョージがレスリングの試合に出て相手の脚を噛み千切るわ、クラブハウスでは兄弟に操られた若者達によって喰って喰われての食人大乱交パーティーが始まるわと、全編これでもかと言う位に頭のキレた連中が画面狭しと暴れ回り、他の映画では中々お目にかかれない独特のノリを作っていたのである。ゴア描写がチープで、カニバリズムにも嫌らしさが感じられなかったのは残念だが、この狂った感覚に乗れるならば大いに楽しめる作品だった。
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