ゾンビ・ハネムーン 大カマのえじき 「評価 C」
湖畔のラブホテルで働くロイドはある日、ジャッキーという名の女性客を部屋まで案内した。するとジャッキーは彼に惚れこんだらしく、腰をくねらせて誘惑してきたので、ロイドも据え膳食わぬは男の恥と彼女に抱きついた。ところがその時、ジャッキーの頭からは金髪のカツラがずり落ちてきたではないか。実はジャッキーは神をも恐れぬオカマ人間だったのである。驚いたロイドは言い寄ってくるジャッキーを気味悪がり、アイスピックで彼の腹と側頭部を突き刺して殺害した。それから十五年後、ロイドはホテル近くの教会で恋人のリンダと結婚式を挙げていた。だがそんな彼のもとに、怨霊と化したジャッキーが再び舞い戻ってきたのだ。普通の人間には姿が見えないジャッキーは、様々な手段を用いてロイドを翻弄し、彼を精神的に追い詰めていく。やがてジャッキーの策に嵌まり愛するリンダまで失ってしまったロイドは、霊感の強い女性クリスと手を組んでジャッキーを退治しようとするが…。
オカマの幽霊がラブホテルで惨劇を起こす、「復讐都市L.A.」のジョセフ・メルヒによるオカルティック・ハネムーン・ホラー映画。悪霊となったジャッキーはボロボロに朽ち果てたミイラのような外見で、銃弾は通用しないくせにナイフやノコギリといった凶器は普通に扱えるという、幽霊と殺人鬼とゾンビのいいトコどりをした非常に美味しいモンスターだ。幽霊になってからは基本的に女性の姿にしか変貌せず、オカマの設定が活かされていなかったのは残念だったが、ロイドへの一途な愛を貫くその姿勢にはそれだけで十分な恐怖感が感じられた。
しかしそんなジャッキーの異常加減に対し、殺害シーンの方は平凡な出来だったのが惜しまれる。カメラワークとカット割が悪いせいで一瞬何が起こったのか分からない場面が殆どで、唯一ノコギリで女の首を切断するカットがインパクトの強さで押し切っていた程度。でも新婚カップルによる情交シーンは大量に用意されているので、お色気目当てに観るならば大して損はしないだろう。
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