ボーンヤード 「評価 B」
霊能力者アリーのもとへ、ジャージー警部補から捜査協力の依頼が舞い込んできた。葬儀屋のチェンが三人の子供を軟禁して殺したことを自首してきたのだが、彼が言うにはキョンシーと化した子供たちが手に負えなくなって逃げてきたというのだ。現在子供たちの遺体は検視局に保管されており、オーツたちは取り敢えず被害者の遺品に触れてサイコメトリーを試みた。すると彼女の脳裡には、東洋の導師が呪いの儀式を行う光景が、続いて検視局のベッドから起き上がる被害者三人の姿が映し出されたのである。そこで彼女が慌てて検視局へと向かったところ、既に活動を開始していた三人が人肉を貪って暴れ回っていた。彼らはチェンを脅して人肉を手に入れていた悪のキョンシーで、警察に発見された時からずっと死体のフリをして周りの目を逃れていたのだ。更にキョンシーに無理矢理身体の一部を喰わされた者たちまでキョンシー化していき、終いには検視局で飼われていたプードルまでもが巨大キョンシーとなって、アリーやジャージーたちに襲い掛かってきた…。
アメリカ製のカンフー映画やニンジャ映画は数あれど、アメリカ製のキョンシー映画といったら本作ぐらいのものだろう。ただキョンシーと言っても、本作に出てくる三人の子供たちは頭髪は抜け落ち皮膚はヌメヌメしていて、殆どゾンビみたいな外見。アリーがサイコメトリーをした際に東洋の導師の姿が出ていなければ、ゾンビ映画と言い張っても普通に通用するような内容である。
さてこのキョンシーたち、黄色い粘液を纏った気色悪い外見をしている(撃たれると粘液が壁に飛び散る!)のみならず、仲間を増やすために自分の頭の皮を剥いでオバサンに食べさせるという荒業まで披露してくれ、実にサービス精神旺盛だった。またクライマックスに出てくるキョンシー・プードルは見た目は可愛らしいけど狂暴な性格で、けれどもやっぱりラストでは犬の性を発揮してしまう辺り、何とも良い味をしていた(巨大化したら何故かリボンも一緒に大きくなっていたのもお馬鹿でいいぞ)。
本作は序盤が少しもたつくのが残念だったが、アリーがキョンシーたちを発見してからは展開もスピーディーで、ラストまで一気に見せてくれる。ホラー映画の佳作と呼べる出来だった。
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