スローターハウス 13日の仏滅三隣亡 「評価 C」
辺鄙な田舎町で屠殺場を経営していた、ベーコンとバディーの親子。だが今や経営難によって工場は潰れ、税金の不払いで立ち退きを迫られる日々だった。そんな中、豚を虐めたカップルを息子バディーが惨殺していたことを知ったベーコンは、自分らの生活を脅かす連中をバディーに殺させる計画を思いついた。計画はトントン拍子に進み、二人は邪魔な人間を次々と罠にはめては殺害していく。ところが雷雨の晩、保安官の娘たちが肝試しのために、彼らの屠殺場へとやってきたのだ…。
屠殺場の一家が田舎町の人々を虐殺する、「悪魔のいけにえ」チックな内容のスプラッターホラー(でも邦題は「13金」風だ)。本作の顔である殺人鬼バディーは豚のように丸々と太った体型に加え、知恵遅れなので豚のような鼻声しか出せないという屠殺場にマッチした設定で、さすがに本家レザーフェイスには劣るものの十分なキャラクター性を持っていた。しかも主に使う武器が刃渡り50センチを超える大ナタで、これを振り回しながら獲物を追い回す様にはかなりのインパクトがあった。
だがそんな殺人鬼の壮絶さに反し、肝心の殺害シーンが薄味なのは拍子抜けだった。ナタによる惨殺場面は傷口がろくに映らないし、老人の身体をゴミ処理機に落としてミンチにしていく場面では、胴体が潰されている時は悲鳴をあげるオヤジの顔ばかり捉え、その後は作り物っぽい背骨の残るミンチを見せられるだけで興醒めしてしまう。食人描写が一切無いのもまた腰砕けで、折角の殺人鬼がもったいないように感じられた。
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