地底王国              「評価 A」
アブナー・ペリー博士は教え子イネスによる資金援助のもと、地底探索機アイアンモールを完成させた。早速博士とイネスはこれに乗り込んで地底への冒険に出かけたが、途中で機体がトラブルを起こして暴走。気づいた時には地底深くに存在する、巨大な空洞へとたどり着いていたのである。ここではペルシダーという名の地底王国が築かれており、人類は古代鳥メーハーとその部下の獣人たちに虐げられる日々を過ごしていた。そこでペリーとイネスは彼らを解放するべく一計を案じるが…。
「恐竜の島」を監督したケビン・コナーが、同じE.R.バロウズ原作の「地底世界ペルシダー」を映画化した冒険活劇。冒頭とラストに登場するアイアンモールは「極底探検船ポーラーボーラ」のポーラーボーラ号と同様、先端にドリルのついたジェットモグラのような形状をしているが、こっちはポーラーボーラ号と違ってちゃんと岩盤を掘り進む描写が盛り込まれていたのが好印象だった。また胴体部のクローラーをガチャガチャ動かしながらドリルが回転する様は実にメカらしく、制作側の拘りを窺わせてくれた。
そして舞台が地底世界に移ってからは、巨大鳥人類に豚人間、猪と剣竜を足して巨大化したような怪獣に人食い植物に火噴きトカゲなど、実に多種多彩なクリーチャーたちが跳梁跋扈する、危機また危機の大冒険へと突入するのだ。アメリカSF映画にしては珍しい着ぐるみ特撮による怪物たちは造形こそ御粗末だが(特に鳥人たちの翼の質感の無さは噴飯もの)、デザインの奇抜さと登場場面での演出によって上手く補われていた。地底世界の場面が全てセット撮影なのも、地底の狭苦しさを感じさせてくれたという意味では成功と言える。ラストのオチも味わい深く、冒険映画のお手本と言える作品だ。
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