極底探検船ポーラーボーラ(別題:最後の恐竜 極底探検船ポーラーボーラ)「評価 C」
スラスト工業の石油採掘船ポーラーボーラ号が、北極の氷山の内側に火山活動によって温暖な気候を保つ場所があるのを発見した。しかもそこは外界から長い間隔絶されていたためか、ティラノサウルスが未だに生存していたのである。そうと知っては放っておけないのが社長のマステン。彼は世界中を飛び回ってあらゆる獲物をハンティングすることを生き甲斐としており、同時にその豪放な生き方から「最後の恐竜」とも渾名されていた男だった。彼はぜひともティラノサウルスを仕留めようと、部下たちを率いてポーラーボーラ号に乗り込み、その失われた大地へと探検に出かけた。ところが目的地に辿りついた矢先、彼らのキャンプはティラノサウルスの襲撃を受けてしまい、あまつさえポーラーボーラ号は恐竜の棲家まで持ち去られてしまったのである…。
極寒の山の内側には進化とは無縁の世界が──という設定が「恐竜の島」を彷彿とさせる、日米合作のSFアドベンチャー。ポーラーボーラ号は先端に巨大なドリルのついたジェットモグラのような形状をしており、そのドリルを回転させて地底を掘り進むことができるらしい。しかし本編ではすでに作られていた穴の中を通っただけで、地面をガンガン掘っていく様子をまるで拝めなかったのは残念なところ。また脚本の方も今一つで、マステンとティラノとの「恐竜対決」は盛り上げ不足の感が否めないし、ポーラーボーラ号の回収や原始人との交戦といったサブストーリーも実にアッサリと解決してしまい、随分と軽い印象を受けた。だが着ぐるみによる恐竜たちの特撮は健闘しており、上陸直後の大型恐竜とのニアミスや、ティラノと剣竜との乱闘など、派手な見せ場をしっかり用意してくれたのは嬉しかった。
(ちなみに本作は日米合作と言うことで、秘境の場面は日本で撮影されている。そのため自生している植物が日本の山林のものだったり、原始人たちがどう見ても顔を茶色く塗っただけの日本人だったりと、妙な違和感に溢れた光景が広がっていたのだ)
GO TO TOP!!