地獄の謝肉祭 「評価 C」
ベトナム戦争の最中、ノーマンたち小隊はベトコンのアジトを襲撃し、穴倉に閉じ込められている捕虜たちを救出に向かった。しかし穴倉の中を覗くと、そこには人肉を貪る二人の部下・チャーリーとトミーの姿が。ノーマンはその畜生界の如き光景に戦慄しながらも、二人を助け出そうと手を差し伸べた。だが既に狂人と化していた彼らは、ノーマンの手にまで食いついてきたのだ。やがて戦争は終わり、ノーマンは本土へと帰還したものの、あのカニバリズムの衝撃が未だに頭の中でトラウマとなって残り続けていた。しかも手を噛まれてからと言うもの、無性に生肉に噛み付きたくなっていたのだ。実はチャーリーとトミーが人肉を貪っていたのは一種の伝染病のようなもので、彼らに噛まれたノーマンの身体も、知らず知らずのうちに人肉を求めるようになってしまったのである…。
食人鬼と化した元軍人たちがサンフランシスコを恐怖に陥れるマカロニスプラッター。冒頭の捕虜救出シーンは凄絶な戦闘描写といい二人が人肉喰をしていると分かる際の衝撃的な演出といい見応えがあったが、その後はいまいち冴えが感じられなかった。食人病に感染したノーマンが精神病院に収容されていたチャーリーとトミーを助け出すという展開は無理があるし、脱走した後でチンピラたちとの乱闘シーンがやたら長く続くのもいただけない。またアメリカに帰ってからの食人シーンは女の肩や足にガブリと噛み付くといったグロテスクさに乏しいものが大半で、凄惨だったのは看護婦が医者の舌を噛み切るところぐらいだった。電ノコで足をズタズタにしたり銃で撃たれて腹に穴が開いたりとマカロニらしく食人以外のゴア描写は頑張っており、ラストのオチも気の利いたものだったが、陰惨なカニバリズムを期待すると肩透かしを食らう作品だ。
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