エイリアンドローム       「評価 C」
マンハッタンの沖合いで、漂流していた無人船が発見された。その内部を調べに行った警官たちは、カボチャ大の卵のような物体を見つける。いったい何なのかと首をかしげていると物体は突然破裂し、中に詰まっていた液体が彼らの体へと降りかかった。すると警官たちの体は風船のように膨らんでいき、終いには無残な爆死を遂げてしまったのである。物体は政府の施設へと運びこまれ、詳しい検査にかけられたところ、未知のバクテリア培養菌であることが判明した。この菌が溜める液体を浴びたら最期、先程の警官達のように爆死してしまうのだ。そこで公安第五師団のホームズ大佐は菌の出自を探るために、船が出港した南米へと向かった。すると菌を放出していたのが火星から来た宇宙生物だと分かり…。
「スター・ウォーズ」に便乗して「スタークラッシュ」を作ったルイジ・コッツィ監督が、これまた「エイリアン」人気に肖って作ったマカロニSF映画。ストーリーはあってないようなもので、培養菌の出自はすんなり分かってしまって拍子抜けさせられるし、ラストのオチも弱い。また演出面も優れているとは言えず、鍵の掛かったバスルームに培養菌と一緒に閉じ込められて大ピンチという場面は、何の突拍子も無く爆発するという菌の特性のためにいつ爆発するのかというサスペンスを盛り上げることができず、クライマックスに登場する「イット・ケイム・フロム・アウター・スペース」に出てくるような一つ目宇宙人も、貧相な外見を全体像がよく見えないようにして誤魔化すという「吸血蛾クレア」ばりの撮り方でゲンナリさせられた。
だが本作、培養菌のヌルヌルした質感や人体爆発など、グロ描写だけは光るものが窺えた。特に人体爆発は飛び散る内臓までしっかり作りこむ程の気合の入りようで、爆発シーンが連続して挿入される映画前半部分は人体花火大会と言わんばかりの壮絶さで圧倒させてくれるのだ。こういったエグい箇所にだけ異様に拘るあたり、ある意味マカロニ映画の鑑とも呼べる作品だった。

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