核変異体 クリーポゾイド 「評価 D」
20世紀末、世界は核戦争によって荒廃し、大地には度々酸性雨が降り注ぐようになっていた。そんな中でジェイクたち脱走兵は、食料を求めて無人の施設へと侵入する。そこには豊富な食料が残されており、外では酸性雨も降り始めたので、彼らはしばらく施設に滞在することを決めた。ところが施設のコンピューターには、生体の蛋白質についての怪しげな研究記録が残されていた。しかも仲間達が次々と変死を遂げていき、ようやくジェイクは施設内の異変を察知する。研究の過程で生み出されたクリーチャーたちが、獲物を求めて建物内部を徘徊していたのである…。
「ナイトメア・シスターズ」「ザ・ヒル」など、脱力モノの作品を多数制作しているデヴィッド・デコトー監督によるSFホラー映画。今回は「シンジェノア」っぽい外見の怪物とその子供、そして巨大化したネズミと、三匹ものクリーチャーが登場して人間を襲う。しかしいずれの襲撃シーンも気の抜けるような演出によってまるで緊迫感が出ておらず、巨大ネズミに至ってはタダのぬいぐるみを俳優が掴んで動かしているという悲惨な有様だった。また映画の大半はジェイクたちが同じところを行ったり来たりしているだけで退屈極まりないし、怪物の退治方法も何の説明も無く出てきて戸惑うばかりだ。そしてラストも実にいい加減なもので、とても納得のいくものではなかった。
しかしこの映画、クライマックスに出てくる怪物の子供の造形は目を引いた。「悪魔の赤ちゃん」っぽい頭部に「シンジェノア」っぽい胴体と、容姿にはさほどオリジナリティは感じられなかったものの、顔がとにかく動く動く。ストップモーション撮影によって多彩な表情変化を実現させており、特に眼球の生々しい動き方は本当にデコトー監督作なのかと疑ってしまうほどだ。モンスター好きとして、この点に関しては評価できる作品だった。
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