デッドマンズ・アイランド 「評価 D」
全米で大人気のサバイバル番組「パラダイス・ロスト」。何名かの若者がカリブの孤島で一週間を過ごし、島に隠された10万ドルの宝を探すという番組だ。そして今回もトニーら六人の男女が島に集まり、例年通りに文明とは隔絶した生活を開始したのだが、途中で予想外のトラブルが発生した。一部の参加者たちが島の禁止区域に足を踏み入れたところ、19世紀にカリブを荒らし回った残忍な海賊レッドブラッドがゾンビとなって蘇ってきたのである。ブードゥー教の呪いによって死ねない体となっていた彼は参加者達を次々と惨殺した後、トニーたちを脅して財宝の隠してある小島へと向かわせた…。
アメリカ人の「サバイバー」好きは相当なものと見え、この番組を基にした映画は「アルティメット・ストーム」や「バトルロワイアル・アイランド」など、枚挙に暇がないほどだ。そして本作もそんな「サバイバー」系映画の一本なのだが、途中で5分ぐらいかけて全参加者の大して面白くもないインタビュー映像をダラダラ流すといった構成の悪さのせいで、人気番組の舞台裏を覗くという感覚を味わえないのが辛かった。素の映像を撮る段階で作品が終わっているために編集後の映像が見れず、実際にどんな雰囲気の番組として放映されるのかが分からないのも、ちゃんと番組の体制をとったシーンがある「バトルロワイアル・アイランド」よりも幾分後れをとっているように感じられた。せめて番組のオープニング映像ぐらいは見せて欲しかったところである。
また本作ではジャック・スパロウにクリソツの格好をした海賊ゾンビ(でもジョニー・デップに比べるとふくよかな体型だ)を登場させ、彼の財宝の争奪戦が行われるという海洋アドベンチャーチックな要素が含まれているものの、これが何のヒネリもない展開の連続でまるで緊迫感が湧いてこない。しかも海賊ゾンビによる殺害シーンは、肝心なところを映さなかったり特殊メイクが稚拙だったりと、マイルドにもほどがある代物ばかりで興を削がれてならなかった。参加者のオネーサンたちの水着姿を番組カメラマンが嫌らしいアングルで撮っているところぐらいしか見所のない、誠に酸鼻を極める作品だった。
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