トランサーズ2360          「評価 C」
24世紀の呪術者ホイッスラーが発明した、ドラッグによって意のままに操縦できる最強兵士トランサーズ。1985年にタイムスリップしたホイッスラーはその技術を用いて世界を征服しようとしたものの、同じく未来からやってきた刑事ジャック・デスによって彼の悪しき野望は打ち砕かれた。だがトランサーズを生むドラッグは未だ過去の世界に残っており、それを入手した武器商人たちが密かに研究・量産を図っていたのである。そうと知った24世紀の評議会は、彼らの研究を阻止するためにジャックを2005年のロサンゼルスへと派遣した…。
様々な時代を行き来してトランザースと戦う未来刑事ジャックの活躍を描いた、チャールズ・バンド製作の「トランサー」シリーズの三作目。私はシリーズの一作目と二作目は未見だが(ちなみに二作目は日本でビデオがリリースされていないらしい)、本作のビデオ冒頭部ではそういった人のことを配慮してか、日本語のテロップで作品世界についての簡単な説明がなされており、一応話の筋は理解できるようになっていた。しかしこのシリーズ、本作を見る限りでは、正直あまり魅力があるとは思えなかった。最強戦士という触れ込みのトランサーズは実にアッサリと倒されていってまるで強さが感じられないし、クライマックスでドラッグを注射されたジャックが武器商人から発せられる命令に打ち克つシーンも、演出が弱いために大して盛り上がらなかったのだ。ただ本作、すっかり過去の世界に馴染んでいるジャックを始め、各キャラクターたちが実に生き生きとしていたのは好印象だった。特にシリーズ初登場と推測される助っ人役のアンドロイドは、後ろから敵の首をへし折るというセガールばりのアクションを見せたかと思えば肝心なところで突然エネルギー切れを起こしたりと、役に立つんだか立たないんだか分からない微妙なポジションで妙な親しみやすさがあった。

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