悪魔の教団 レッド・モンクス(別題:魔界の教団 レッド・モンクス)「評価 D」
古めかしい屋敷に住むゲルギー伯爵は、敷地内へ写生に来ていたラモーナという女性に惹かれ、彼女と結婚することにした。ラモーナは屋敷の陰気な様子に戸惑うばかりだが、ゲルギーが深い愛を示すことによって、二人は幸せな生活を送るのだった。ところがある晩のこと、伯爵の一族と因縁深い邪教集団がゲルギーに対し、妻を殺すようにと命じてきた。邪教集団に逆らうことはできない、かと言って妻を殺すことなど到底できはしない。悩み苦しむゲルギーだったが、そんな中、彼は妻の驚くべき真実を知ってしまう…。
ルチオ・フルチ監修のオカルト・ホラー映画。嫁いだラモーナが屋敷の異様さにストレスを感じる「レベッカ」のような前半部分は、ミステリアスな雰囲気作りもちゃんと出来ていて面白さがあったものの、ラモーナの前に謎の青年が現れる場面の辺りから脚本の破綻が始まり、いっぺんにグダグダな内容へと転落していった。作品の山場である解説シーンでは伏線の全く張られていない新事実が次々と綴られるだけで、逆にそれまで張られていた伏線は殆ど回収されないものだからフラストレーションが溜まる。しかもバスケットを開けたらメイドの首が、絵をどかしたら吊り下げられた生首が──といったショックシーンの数々は、死体の造形が紙粘土で作ったような安っぽさ大爆発な代物で少しもエグさが感じられない。ストーリーが意味不明なのはいつものフルチ系作品の特徴だからいいとしても、彼のウリであるグロ描写までお粗末となっては、最早嘆くことしかできなかった。

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