マングラー2             「評価 C」
春休みが明け、ある学園では生徒たちの安全を守るために巨大コンピューターによる警備システムが導入された。学園内は至るところで監視カメラによって観察され、外側は高圧電流が流れる金網によって取り囲まれている。そのまるで刑務所のような佇まいに生徒たちからは不満の声も漏れたが、学園長は彼らを野外学習に行かせることによって懐柔するのだった。しかしそんな中、風紀委員に任命されている学園の問題児グループだけは野外学習に行くことを許されず、学園内で留守番するように命じられた。それに怒った問題児グループのリーダー格であるジョーは、警備システムにウイルスを送ることによって学園中を滅茶苦茶にしてやろうと企んだ。そして何か良いウイルスは無いかとネット中を探し回ったところ、ある一つのウイルスに目を付ける。そのウイルスの名はマングラー。かつてブルー・リボン洗濯工場で惨劇を引き起こした悪霊の宿った、危険極まりない代物だった…。
「機械が誤作動を起こして人間に危害を加える」という点を除けば、前作とまるで繋がりの無い「マングラー」の続編。コンピューターによる管理システムがウイルスに乗っ取られて人間を殺害していくというプロットは「MP3」を先取りしているとも見れるが、本作のマングラーに乗っ取られた警備システムはその性質上、ケーブルを触手のように動かしたり核となる部分に人間を取り込んだりと、「MP3」のウイルスに比べると遥かに生物的な感じに描かれていた。そんなマングラーによる殺害シーンは、車椅子に乗った男が階段を転げ落ちた後に落下してきた斧に襲われる、足を滑らせた女が髪をローラーに巻き込まれるといった「ファイナル・デスティネーション」ばりの二重三重の仕掛けによって演出されており、前作には無かったバリエーションの豊富さで勝負している様子だった。殺害シーンにおける衝撃性の薄さやクライマックスの対決の盛り上がらなさなど、全般的に演出のパンチ不足が目立ったが、ティーンエイジ・ホラーとしてはそれなりに楽しめる作品だ。

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