フレッシュ・フォー・ザ・ビースト 「評価 C」
フィッシャーの館。かつて悪魔崇拝者フィッシャーが経営していた巨大娼館であり、彼が姿を消した以後、この館には度々超常現象が発生すると噂されていた。そしてある日エリンたち霊能者グループは、現家主のジョンに依頼され、除霊のためにこの屋敷を訪れることとなった。だが屋敷の調査を始めたメンバーたちは、現れる魔物たちによって一人また一人と惨殺されていく。やがて魔物たちの魔の手はエリンにも迫るが、遂に殺されるかと思ったその時、突如彼女の体に異変が起こった…。
「悪魔のえじき2」や「悪霊のいけにえ」など、JVD社のDEEP REDレーベルとして日本初上陸した映画がマトモな出来だった例は今までの経験上一度として無かったのだが、本作はそんな作品群の中において極めて例外的な存在だった。確かにストーリーでは説明不足な点が目立つ上にクライマックスのどんでん返しも唐突なもので、脚本については決して良い出来とは言えなかった。だが本作では、その欠点を補うほどの壊滅的なゴア描写がこれでもかと言うくらいに炸裂し、観る者を幾度となく圧倒してくれるのである。いきなり冒頭の場面から「転んだ拍子に死人の内臓に頭を突っ込む」というトンでもないことをやらかしてくれるし、その後も頬肉毟り取りや「地獄の門」ばりの内臓吐き、そして屋上より滝のように落ちてくる血肉のシャワーなど、素晴らしいまでの悪趣味プレイの数々を堪能することができるのだ。ただ、「魔物が美女の姿になって男を誘惑→男と情交→魔物が本来の姿に豹変して男を惨殺」のパターンが延々と繰り返されるのと、内臓の造形がリアルさを欠いていたのはいただけなかったが、グロ映画好きならば観ていて損は無い作品だった。
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