デビルズギフト 「評価 D」
デビッドは息子のマイクと二人暮らし。妻には先立たれているものの、親切な友人に囲まれて幸せな毎日を送っていた。だがマイクの誕生日に、恋人スーザンが骨董屋で買ったサルの人形をプレゼントしてくれたことから、それまでの日常は一変を遂げた。金魚や犬といった家のペットが立て続けに死んでいき、デビッドもまた自分やマイクが殺される夢に毎晩うなされるようになったのだ。実はサルの人形は前の持ち主が降霊術を行ったせいで残忍な悪霊が宿っており、呪いの力で彼ら親子を抹殺しようとしていたのである…。
悪霊の憑いた人形が災厄をもたらすオカルトホラー。本作に登場するサルの人形は「チャイルド・プレイ」や「パペット・マスター」の人形たちとは違って自らの力で動くことはできず、念力で物を動かしたり他人の行動を操作することで悪事を働くという「甦る怨霊 魔界少女キャシー」タイプ。軽い停電から車庫の火事、終いには雷雨や地割れと、話の経過に伴って呪いがスケールアップしていく様子が目を引いた。でも親子の抹殺が目的ならば自殺するよう直接命じれば良さそうなものなのに、わざわざスーザンや家の物を操って二人を殺そうとしていたのは理解に苦しむ。ちゃんとマイクの行動を操っている場面があるから標的を直接操作できないなんてことは無いし、かなり早い段階から殺害への働きかけを行っているので別にじわりじわりと殺そうとしているようにも見えない。悪霊に多種多様な芸当を行わせようとしたせいで、かえって悪霊の存在が間抜けに見えたのである。またデビッドに悪霊への対抗手段を教示するシーンがありながら、それが作中でまるで生かされず、単なる尺稼ぎとしか感じられなかったのも辛いところ。夢のシーンなどでの雰囲気づくりは結構上手いのに、脚本のおかげで恐怖感が削がれていた作品だった。
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