殺人マニアック サイコリアン 「評価 D」
酒場を経営するジョーは殺人狂。若い女と二人きりになっては、首を絞めたりナイフでメッタ刺しにしたりして惨殺していた。マニキュア師のケイトも殺人狂。若い男と二人きりになっては、メスを刺したりチェーンソーを振り回したりして惨殺していた。そんな二人がある日、運命の出会いを果たしたから大変だ。たちまち意気投合した二人は同棲を始め、血しぶきを撒き散らしながら明るく楽しい生活を送るようになった。だが一方で、そんな彼らのもとに寄ってくるのも変人ばかり。レイプ魔の修理工や不死身のストリッパー、人肉大好きな配管工といった只ならぬ連中が、二人の暮らしを一層トラブルに満ちたものにするのである…。
奇人変人たちが織り成す掛け合いを悪ノリたっぷりに綴ったスプラッターコメディ。「サイコ」のシャワー室の場面と全く同じ構図のシーンを何度も挿入する、ドキュメンタリー調と思ったら完全な劇映画になったりと何度も作品のスタイルが変化するなど、良くも悪くもスタッフの遊び心に満ち溢れた作品だ。そのためかなり好き嫌いが分かれるであろう内容になっているのだが、少なくとも私はこの作品のノリについていけなかった。主人公二人が「ブドウが嫌いだ」と繰り返し主張するネタは何が面白いのかサッパリだったし、殺害シーンも数が多い割には平凡なものが多くて退屈に感じられる。そしてクライマックスにおけるメタなギャグも、繰り出すタイミングが悪かったために似たようなネタが使われる「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」と違って興醒めにしかなっていない。ストリッパーの不死身っぷりや結婚式のシーンにおける牧師のボケボケぶりなど、しっかり笑える箇所も確かにあったのだが、その笑いも作品全体に蔓延する悪ノリによって掻き消されていたのである。
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