プラネット・オブ・ザ・デッド 「評価 C」
細菌兵器によって地上がゾンビで溢れ返った未来。人類は残された僅かな土地を巡って、ゾンビたちと激しい争いを繰り広げていた。だがそんな中、政府の研究施設の最高責任者であるウェルズ博士が、クロウ大佐率いる軍人ゾンビたちによって誘拐されてしまった。そこで博士を救出するべく、クロウの元部下だったデューイを始めとする四人が特殊チームとして選ばれ、ゾンビの蠢く地へと派遣された…。
元軍人のゾンビたちと特殊部隊との戦いを描いたSFアクション映画。固い岩盤を擦り抜けることのできる装置や神経を破壊してゾンビの動きを封じる弾丸など、如何にもSFチックな兵器も出てくるが、それよりも見所となっていたのは日本刀によるチャンバラやクライマックスのガチンコ拳闘バトルといった肉体によるアクションシーンである。これらの場面は演出も及第点で、且つ白兵戦に持ち込まざるを得ないような説明もしっかり為されていて、SF映画であってもさして違和感を覚えることなく楽しむことができた。
またもう一つの目玉である軍人ゾンビたちはというと、オープニングでこそ弓矢や投石器を使っての一斉攻撃という元軍隊らしい統率の取れた動きを見せてくれたものの、その後は夜のシーンが続くためか漫然とウロウロするだけの烏合の衆と化してしまい、あまり軍隊であることの特性を活かせていない感じがした。灰色の皮膚がひび割れているというゾンビたちのメイクも、耳の裏のあたりから肌色の部分が微妙に覗かせているのが興醒め。ただし敗北したゾンビの目玉をスプーンで掬い取って美味しそうに食べるシーンは、造形に異様なまでの気合が感じられて好印象だった。ストーリーが完全な尻すぼみで終わっていたのが非常にいただけなかったものの、ゾンビ映画としてはそれなりに楽しめる作品である。
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