クリーチャー 「評価 C」
21世紀、人類は新しい資源を求めて宇宙へと進出していた。そんなある日のこと、土星の衛星タイタンへと調査に向かった西ドイツの宇宙船が、20万年前に作られたと思われる異星人の研究施設を発見した。施設には未知なる生物を閉じ込めたカプセルが遺されており、クルーたちはそれを回収し、宇宙船に積み込もうとする。だがその時、カプセルの中の怪物が20万年の時を越えて蘇ったのである。怪物はクルーたちを虐殺すると、追って調査にやってきたアメリカの宇宙船シェナンドー号にも牙を剥いた…。
「ギャラクシー・オブ・テラー 恐怖の惑星」「禁断の惑星 エグザビア」などと並んで、80年代前半に量産された「エイリアン」風SFモンスター映画の一本。細長い頭部や漆黒のボディ、背中から伸びる無数の突起物など、怪物のデザインはやはりエイリアンの面影を感じさせるものになっており、小さな生物を憑依させることによって死体をゾンビのように従えるのが特徴だ。「エイリアン」にゾンビ映画の要素を取り入れたという欲張りなコンセプトだが、怪物が暴れている間はゾンビたちは動かない上、ゾンビが暴れている間は怪物が姿を見せないものだから、二つの要素が今一つ噛み合っていないように感じられた。怪物は何度退治されても蘇ってくる男気を発揮していたし、ゾンビの方は西ドイツのクルー役のクラウス・キンスキーが素晴らしいまでに奇怪な死人演技を見せてくれて楽しめたものの、どちらか一方に絞った方がプロットのまとまりも良くなったのではと思えてならなかった。
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