殺人プレイバック 「評価 C」
大学生のキムは、父親の友人がヨーロッパに出かけている間、ビバリーヒルズの豪邸を預かることとなった。早速友人たちを招いて楽しい生活を始める彼女だったが、その頃ビバリーヒルズでは若い女性ばかりを狙った謎の猟奇殺人鬼が暗躍しており、住民達は恐怖に怯えていたのである。そんなある晩のこと、キムがテレビを見ていたら突然画面が切り替わり、若い女性が裸の男に惨殺される様子が映し出された。すぐに画面は元に戻ったものの、その後も夜になると殺害シーンが画面に映ることに気づき、キムは戦慄する。殺人鬼が自分の犯行現場をビデオカメラに収め、それを密かに衛星放送していたのだ…。
「自分の家のテレビが急にスナッフムービーを映す」というホラー映画そのものなシチュエーションがウリのサイコサスペンス。いかにも怪しげな人物を多数登場させ、彼らとキムとの接触シーンに緊迫感のある演出を加えることによりストーリーへの求心性を高めていた。いつもの殺害現場に知人が登場したり、映像を録画しようとしたらコピーガードによって突然画面が潰れたりと、シチュエーションを生かしたショックシーンも盛り込まれ、単なるアイデア止まりの映画になっていないのも好印象。しかしこの映画、クライマックスの謎解きが不十分すぎて強い欲求不満を覚えてしまう。何せ「殺人鬼は何故自分の犯行現場を放送していたのか」という根本的な謎すら解決せず、ただ殺人鬼の正体が明らかになるだけで映画は終わるのだ。ミステリー映画のつもりで意気込んで鑑賞すると脱力すること必至な作品である。
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