吐きだめの悪魔 「評価 A」
ニューヨークのマンハッタン。多くのビジネスマンが行き交うこの街の一角に、浮浪者たちが集う吐きだめ地帯が存在した。ここに暮らすフレディたちは互いに牽制し合いながらも好き放題な毎日を過ごしていたが、彼らの行きつけの酒屋が改装をしたことから事件は起こった。店主エドは改装の際、店の奥に残っていた60年前のワインを引っ張り出し、それを浮浪者たちに格安で売り始めた。しかしワインは長い年月放置されていたことにより、呑んだら即死の猛毒と化していたのだ。そうとは知らない浮浪者が、今日もワインを買っていく…。
吐きだめに住む人々が次々と吐きだめ同然の姿になっていく様を綴った、汚物まみれの群像劇。廃車処理工場のオヤジのセクハラに悩まされ続ける女性や、浮浪者たちによる美女殺害事件の真相を追う刑事など、様々な人物が登場してそれぞれの物語を展開させていくが、何よりもの見所は全編を通して繰り広げられる凄惨なショッキングシーンの数々である。ワインを飲んだ人々の死に様は素敵なまでに嫌らしく、或る者は真っ青な下痢便を垂らしながら全身がドロドロに溶けて便器の奥へと流れていき、或る者はダボダボの腹が風船のように膨らんで壮絶な爆死を遂げ、また或る者は自らの胸肉を掻き毟りながら骨だけの姿に変わっていく。しかも彼らの肉片がまた猛毒となり、連鎖的に悲劇が巻き起こるというオマケつきだから堪らない。殺人ワイン関連以外にもグロシーンは満載で、刑事が便所で男の顔めがけてゲロを落としたり、ボンベミサイルを喰らったオヤジの首が遥か彼方に吹き飛んでいったりと、どれもこれもインパクト抜群で鼻血が出るくらい見応えがあった。情け容赦のないシーンの数々に「俺は最高のゲロ映画を作ってやるんだ!」というジム・ミューロー監督の意気込みを感じずにはいられない、グロ映画愛好家必見の傑作だ。
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