ヘルファイター 「評価 B」
バックマン社は、油田火災の消火活動を専門に行う民間企業である。社長のチャンス・バックマンを筆頭としたチームの面々は世界各地へ赴き、ニトログリセリンを爆発させて酸素を奪うという荒々しい方法で油田の炎を消していく。仕事には危険が付き纏い、彼らは常に死と隣り合わせの日々を送っていた。そんなある日、チャンスは別れていた妻と復縁するために仕事を辞めなければならなくなり、娘婿のグレッグに社長の座を譲ることとなった。ところがグレッグが社長に就任して早々、会社に大きな仕事が舞い込んできたのだ。仕事はベネズエラの油田火災を止めるというものだったが、消火には面倒な技術がいる上に、ゲリラの妨害があって仕事がなかなか捗らない。するとその話を聞いたチャンスはいてもたってもいられなくなり、再び消火活動の前線へと向かった…。
1968年、「シェナンドー河」「マクリントック」といった西部劇を制作していたアンドリュー・V・マクラグレン監督が、同じく西部劇の看板役者であるジョン・ウェインを主演に据えて製作したアクション映画。油田専門の消防活動という非常にマニアックな題材を用いながらも、仕事に命を賭けるプロフェッショナルたちの姿が惚れ惚れするほどに格好よく描かれており、同時に導入部分で消火の過程をしっかりと説明してくれたので、作品世界にすんなりと入っていくことができた。またニトロを爆破させる消火シーンは迫力満点な上、毒ガスやゲリラの襲撃といった仕事中のトラブルもぬかりなく盛り込まれ、映像面でも十分に見応えがある。ただ話のテンポが随分とゆったりしていて、全体的に間延びしているように感じられるのが欠点と言えるだろう。
(それにしてもニトロの入ったドラム缶を石綿に包んで火に近づけるなんて、色んな意味で危ない消火方法だ…)
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