燃えよNINJA             「評価 C」
剣術・弓術・体術など、あらゆる技能を身につけた暗殺のエキスパート、それがニンジャだ! 日本でニンジャの修行を受け、免許皆伝の証を受け取ったコールは、フィリピンにいる友人フランクのもとを訪ねた。フランクは妻のメリーアンともども彼の来訪を歓迎するが、何処となく生気が欠けていた。それもそのはず、彼は大富豪ベナリウスによる土地買収の話を断ってからというもの、度重なる妨害に悩まされていたのだ。その事実を知ったコールは怒りに燃え、ベナリウスが差し向けてくる悪党どもを自慢の体術で尽く返り討ちにしてやった。やがてベナリウスたちはコールがニンジャであることを察し、彼に対抗するべく日本から凄腕のニンジャ・ハセガワを招き寄せた。二人のニンジャが今、東南アジアの地で激突する!
ショー・コスギの出世作であり、80年代に巻き起こった一大ニンジャ・ブームの起爆剤となった作品。さすがに後年の粗製濫造作品と比べるとニンジャの描写は遥かにマトモで、出てくる忍具も刀・弓矢・吹き矢・撒き菱・煙玉と現実に即したものが多い(でもやっぱりヌンチャクだけは使われる)。また「ニンジャ・フォース」なんかで滅茶苦茶な扱いを受けていた九つの印も、本作では順番がしっかりしているし、各印の意味まで解説されている。ただし全編フィリピンで撮影されているので、物凄く熱帯っぽい植物が群生している日本庭園や、壁にデカデカと「忍」の一字が書かれている道場など、ニンジャ以外の日本的な描写については後年の作品と大して変わらない印象だった。
ストーリーは基本的にあってないようなものだが、メリーアンがコール相手に不倫をするシーンは妙に気に掛かった。その後のストーリーとも大して関係がないし、すぐに灯りを消すのでサービスカットというわけでもない。ただコールとフランクとの友情に傷をつける場面にしかなっておらず、その後コールがいくらフランクを友人扱いしても嘘臭さを感じてしまい、作品の後味を悪くしていたのである。

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