ターミネーター2018          「評価 C」
西暦2018年、スペイン。不法入国者のダンテは収容所から脱走し、深い山地へと逃げ込んだ。彼が目指す先は犯罪と不正のはびこる港町プエルト・アンヘル。何故ならここには、一年前に一緒に不法入国してきた恋人ウーラがいるはずだから。時折出現する幻覚に悩まされながらも、薄暗い山道を進むダンテ。しかしそんな彼の前に、恐るべき壁が立ちはだかった。入国管理局員シエスタの操るロボット犬が、執拗に彼の行く手を阻んだのである…。
「ZOMBIO死霊のしたたり」や「ティックス」のブライアン・ユズナによる、ロボット犬とヘタレ男との対決を描いたSFアクション映画。ロボット犬は番犬として有名なロットワイラーの姿をしており、鋼鉄製の牙を剥き出しにしたり目を青く光らせたりと、メカであることを強調した描写が数多くなされているが、それよりも犬が全く可愛くも格好よくも描かれておらず、狂犬と呼ぶに相応しい薄汚れた外見をしていたことの方が遥かに不気味だった。また同時に、ドアを体当たりで破壊する、走行しているトラックに先回りして飛び移る、といったアクションスターばりのパワフリャーな行動が散見されたのも、怪物としての凄みと任務遂行に対する執念とを存分に感じさせてくれた点で悪くはなかった。
だが一方で、人間側の主人公であるダンテのヘタレぶりはあまり好きになれなかった。不法入国した理由を問われてウーラ共々「ゲームをしたかった」と答えるようなチャランポランさに加え、傷ついている彼女に対して変につむじを曲げ、最後まで何ら精神的に成長している様子が無い。とてもじゃないが感情移入できるような人物ではなく、その人物像が明らかになるに連れて作品全体のテンションが著しい勢いで落ちていったのは、対決モノとしてどうかと思った。
(それにしても犬が人間殺しまくりなこの映画を「洋画コメディ」に分類している某ビデオショップって…)

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