ブルーサヴェージ セカンドインパクト    「評価 D」
マイアミのシーガル・ビーチは人工珊瑚を植えたことによって若者たちの人気を獲得し、連日多くの海水浴客を集めていた。しかしそんな中、海洋研究所の調査では珊瑚の設置によって海の生態系が崩れつつあることが明らかになったのだ。そうとも知らずにダニエルたち女学生グループは春休みを利用してシーガル・ビーチにやってきて、ビーチを歩いたりパーティーをしたりと楽しい一時を過ごしていた。そして彼女らは海上のクルージングへと出かけたが、その時事件は発生した。海上に大量の血が広がっているのを見つけたと思いきや、何処からともなく出現したイタチザメの群れが、船の方へと一斉に押し寄せてくるではないか。生態系が狂ったことで近海にはイタチザメが出没するようになっており、更にシーガル・ビーチの人気を妬む者の妨害工作によって、海には鮫用の餌がばら撒かれていたのだ…。
海中に犇くイタチザメの大群が若者を狙う、アルバトロス発のシャークパニック映画。物語前半は鮫の出番が少なく、ダニエルと彼女を取り巻く男女によるラブコメ調のストーリーが長々と展開するので非常にまどろっこしく感じられたが、彼女たちが鮫と遭遇してからはそれまで出てこなかった鮫映画の定番シーンの数々(鮫に殺された死体を発見する、若者たちでごったがえすビーチに鮫がやってくる、主人公たちが餌を使って鮫を沖に誘き寄せる…etc.)が猛スピードで展開し、その圧倒的密度によって今まで盛り上がらなかった分を僅かではあるが挽回していた。ただ脚本面では、妨害工作なんて要素を入れたために「人工珊瑚による生態系破壊」という設定がまるで生きていなかったことや、事件の後処理の杜撰さなど、大きな問題点が多々目に付いたのが気になった。
しかしそんな作品の出来以上に、あのメガロドン映画の頂点の一つと言っても過言でなかった「ブルーサヴェージ」の続編という扱いでリリースされたことが、本作にとっての最大の不幸と言えるだろう。あのメガロドンの暴君ぶりを前にしては、本作に出てくるイタチザメの大群なんか小物すぎて霞んでしまう。それなのに本作のDVDでは、「オデッセイ:セカンドレボリューション」の時と同様に本編開始前に前作の予告編なんか挿入しているものだから、本編を観ている時はどうしても前作の内容が頭の中でちらついてしょうがなかった。

鮫映画一覧へ
TOP PAGEへ