ブラッド・ピーセス 悪魔のチェーンソー 「評価 B」
1942年、思春期の少年ティミーは美女の裸が描かれたジグソーパズルで遊んでいたところを母親に見られてしまった。彼は母親から散々怒られた挙句、逆上して斧とノコギリで彼女を惨殺した。それから40年後、ボストン大学では女子学生ばかりを狙った連続殺人事件が発生した。被害者たちは皆チェーンソーで全身をズタズタに切り裂かれ、体の一部が持ち去られている。犯人は女性のパーツを集めてパズルのように繋ぎ合わせることで、理想の美女を作り出そうとしていたのだ…。
80年代スプラッターブームの頃に製作された、スパニッシュ・ホラーの名作。ストーリーは弱めで、事件解決までの過程も実にアッサリしていたが、それよりも何よりもゴアシーンにおける陰惨な演出の数々が素晴らしかった。チェーンソーによる手足切断や、後頭部からのナイフ貫通などといった殺害場面には全くといっていいほど製作側の躊躇いが感じられず、泣き叫び失禁する美女の姿と飛び散る血飛沫とをこれでもかと言う位にハッキリ描写してくれるのだ。また人体パーツが集まっていくにつれてティミーのジグソーパズルが出来上がっていく演出も、作品の意図を明確にしている点で実に気が利いている。そして極めつけは繋ぎ合わせたパズルが登場するシーンで、登場する際の唐突感といいツギハギの部分がはっきり見える映し方といい、「スラッグス」を撮ったファン・ピケール・シモン監督のグロに対する激しい情熱にただただ圧倒されるばかりだった。
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