レプリコーン 「評価 C」
L.A.住まいの都会娘トーリは、ノースダコタの空き家で父親と一緒に夏休みを過ごすこととなった。初めは近所の田舎臭さに顔をしかめていたトーリも、ハンサムな隣人ネイサンに出会ったことで大喜び。きっと休暇は楽しいものになるだろうと、期待に胸を膨らませた。だが家の地下室には、前の住人のものと思しき木箱が残されていた。近所の青年がそれを開けてみたところ、中からはアイルランド地方の妖精レプリコーンが出てきたではないか。このレプリコーン、奪い去られた金貨百枚を取り戻すべく十年前にアメリカへとやってきたのだが、前の住人の手によって長いこと箱の中に封印されていたのである。久々に外へと出てきたレプリコーンは金貨を探すため、町へと繰り出した。邪魔する人間たちを殺して回りながら…。
靴磨きの妖精レプリコーンが人々を襲う、コミカルタッチのホラー映画。明らかに「チャイルド・プレイ」シリーズの追っかけ企画ではあるが、小人俳優のワーウィック・デイヴィスにレプリコーンを演じさせることで、ホッピングに乗ったりローラースケートで移動したりと、生身ならではのアクションの数々を実現させていた。遠距離を移動する手段が三輪車やオモチャの車なのも、作品のユーモラスな雰囲気を盛り上げているという点で悪くない。しかしホラー映画としては、仰向けの男に対してホッピングに乗って肋骨を一本一本折っていく、死体の目玉を抉り出すといった残酷場面における演出が、グロテスクさもコミカルさも中途半端な感じで楽しむことができなかった。ラストも無理に見せ場を作ろうとして設定を弱くしてしまった感があり、今一つ風情に欠ける印象の作品だ。
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