ワックス・ワーク 「評価 B」
マークたち学生グループは、新しくオープンした蝋人形館へと招待された。そこで面白半分に行ってみたはいいものの、館では気味の悪い小人や大男が働いていただけでなく、展示場には狼男やミイラといった怪物の人形ばかりが飾られていたのである。異様に感じながらも館を出たマークたちだったが、一緒に来たはずの仲間が数名いなくなっていたことに気づいた。彼らは家にも帰っていないようで、蝋人形館に疑いの目を向けるマークたち。実は蝋人形館の館長は悪魔崇拝者で、18人の若者を生贄に捧げることで蝋人形の怪物たちを蘇らせようとしていたのだ…。
吸血鬼やゾンビやサド侯爵(!?)など、怪奇小説&映画のスターたちが勢揃いするホラー映画。中心となるストーリーはこれまた定番ネタである蝋人形の館だが、蝋人形に近づくことで怪物の支配する異世界に飛ばされ、もし脱出できなければ怪物に襲われてしまう──と生贄にされる過程が非常にユニークで、それぞれの世界もゾンビの世界はモノクロ画面だったり吸血鬼の世界は古城の中だったりと、画面効果やセットに特徴があって楽しむことができた。また登場する怪物たちも、狼男がちょっと小顔で不細工だったのを除けば概ね満足のいく造形をしており、作品の怪奇ムードを盛り上げてくれる。しかし本作、怪物たちが勢揃いするクライマックスになって、いきなり館内へ町のオヤジたちが乱入してきてドサ回りを始めてしまうのには面食らった。それまで散々「世界を滅ぼす力を持つ」と言われていた怪物たちがオヤジたちの攻撃でバタバタ倒れていくのも腰砕けだったし、マークが戦うのが人間であるサド侯爵なのも少し味気ない。ストーリーはテンポよく運び、大量の怪奇モンスターたちにそれぞれ見せ場を用意しているなど構成も上手いように感じられたのだが、最後の最後でずっこけてしまう作品だった。
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