フォレスト・オブ・ザ・デッド 「評価 D」
山中の森林地帯では、大企業によって木々の伐採作業が行われていた。リタたち環境保護団体はそれを阻止しようと様々なデモ活動を行うが、いくらやったところで作業を遅らせるのが精一杯で、決して伐採計画は中止にならなかった。一方で企業側は、木々の成長を促進させるホルモン「GX1134」を開発し、森林の木々へとばら撒いていた。しかしこのホルモンには、人体に入るとゾンビ化を引き起こすという恐るべき効果が隠されていたのだ。ホルモンの作用で作業員たちは次々とゾンビに変わり、森は瞬く間に惨劇の場と化す。そうとは知らずにノコノコ森へとやってきた大企業の御曹司タイラーは、生き残ったリタたちと共に決死のサバイバルを繰り広げることとなった…。
新開発の薬が撒かれた影響でゾンビの大群が出現する、「悪魔の毒々ゾンビーズ 蘇る死霊伝説」ライクなゾンビ映画。ゾンビたちによる殺害シーンが大量に出てくる割には、他のゾンビ映画でお馴染みの肢体切断描写が少な目で、材木の下敷きになったゾンビたちの胴体が千切れているカットがある程度。その代わりに本作は、ゾンビを一匹倒しただけで全身返り血で真っ赤に染まっているなど、極端なまでの鮮血描写で凄惨さを演出していた。
しかしこの映画、そんな演出云々以前にカメラの手ブレが酷く、観ていると別の意味で気持ち悪くなってきてしょうがなかった。作品の半分以上を占める森の中のシーンにおいて、カメラはろくに固定されておらず、画面は常にグラグラ揺れたまま。中でも戦闘シーンなどの短いカット群が連続して切り替わる箇所になると、その揺れ具合は一段と酷くなり、何が起こっているのか殆ど判別できなくなる上に、気持ち悪さも何倍にも増してくるから観ているのが大変だった。
また脚本も杜撰で、中盤まではオーソドックスなゾンビ映画といった感じで進行するものの、企業のヘリが攻撃してくる辺りからストーリーがどんどん迷走していき、最後は投げっぱなしのまま終わってしまう。ゾンビたちの描写こそ及第点だったが、総括的に見ると凡作の域を抜けられていない印象の作品だ。
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