悪魔のサンタクロース2         「評価 B」
青年ビリーは幼い頃、両親をサンタの格好をした殺人鬼に殺されたことで、サンタクロースに対してトラウマを持つようになった。彼はその後、孤児院での辛い生活を経て、自立して社会へと出ることに。しかしアルバイト先でサンタの衣装を着せられたことにより、ビリーのトラウマが再発。彼は両親を殺した殺人鬼のように凶悪な性格へと変貌し、悪いことをしている街中の人々を次々と虐殺していったのだ。そして仕上げとして、自分をさんざん苛めてきた孤児院の院長を殺しにいくが、駆けつけた警官に射殺され、目標半ばにして命を落としてしまった。ところがビリーには、リッキーという名の弟がいた。リッキーは大量殺戮の罪で警察に捕まっていたが、12月24日の晩、事情聴取に来た精神科医を抹殺して脱走。亡き兄の宿願を果たさんと、サンタクロースの衣装を纏い、憎き院長の元へと向かった…。
サンタが人を殺すという内容が全米で大問題となったスプラッター映画「悪魔のサンタクロース 惨殺の斧」の続編。私は前作の方は未見だったが、本作の前半部分で「巨人獣 プルトニウム人間の逆襲」同様に一作目のダイジェストが延々と流れるため、別に本作から見始めてもストーリーを理解する上では何ら支障は無かった。それどころか、トナカイの角を使った串刺し、ソリで滑っていた悪ガキの首を切断といった、前作の見所と思しき場面が大量に出てくるので、一本で二本分楽しめる実にお得な作品として観ることができたのである(逆に一作目から見ている人にとっては、前半部分は退屈でしょうがないかもしれないが)。
また本作の眼目となるリッキー関連の場面は、凶器として使われた紅白のパラソルが紅一色に染まっていく演出といい、閑静な住宅街で拳銃を乱射するシーンの異常さ加減といい、前半のダイジェスト部分にも劣らない密度で魅せてくれるのが素晴らしかった。「サンタにならなくても殺人者」というリッキーの設定はサンタ殺人映画のコンセプトとして宜しいのかと首を傾げてしまったが、前作を観たことのある人もこの後半部分は気に入ることだろう。

TOP PAGEへ