ヴェノム 毒蛇男の恐怖         「評価 C」
ルイジアナ州の田舎町。ここではブードゥー教の祈祷師エミーによって、人間の罪を清めるための儀式が行われていた。儀式は罪の源である邪悪な想念を無数の蛇に移すというもので、使われた蛇たちは厳重に処分されることに。ところが蛇たちを処分しようと夜道を急いでいたエミーの車は、自動車修理工のレイが運転するトラックと橋の上で接触。彼女の車は池に転落し、彼女を助けようとしたレイも、箱から出てきた蛇に噛まれて命を落としてしまった。だがその翌日、レイの遺体が遺体保管所から忽然と姿を消した。彼は蛇たちの邪悪な想念を全身に受けたことにより、おぞましい毒蛇男として復活を遂げたのである。邪悪な魂の命ずるままに、町の人間を次々と殺害していくレイ。一方でその事実を知ったイーデンら町の若者たちは、団結して彼に立ち向かおうとするが…。
「ラストサマー」のジム・ギレスピー監督による、ティーンエイジ系ホラームービー。「毒蛇男」と副題に付いているものの、レイの体内から何匹もの蛇が飛び出してモンスターらしい特質を見せるのはクライマックスになってからで、それまではバールやチェーン、酸スプレーといった工具類を用いての殺人が繰り広げられる。この凶器が工具類という自動車修理工の設定を生かしたアイデア自体は悪くないのだが、どの殺害シーンにおいてもカメラワークやカット割が凡庸でカタルシスに欠けていたのが辛かった。ゾンビと化したレイに呪いの力で対抗しようとするもレイの力技に敗れるなど、脚本面ではイーデンたちとレイとの攻防が面白く描けていただけに、もう少し見せ方に工夫があってもいいように感じられた。

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