スタッグ 「評価 C」
スイスの山奥に存在するアルヴェイ岩塩鉱。1948年に崩落事故を起こして以来、長らく閉鎖されてきたこの坑道には、大量のエメラルドが埋められているらしい。それを聞きつけたマルセルら悪党グループは、登山家のジョンをガイドに雇い、鉱山内への潜入を試みた。ところが洞窟の奥へと進んだ彼らの前に、恐るべき障害が立ちはだかった。太古より宝石を守り続けてきた巨大甲虫の大群が、岩盤の隙間からワラワラと這い出してきたのである!
スタッグ・ビートル、すなわちクワガタムシの化け物が、悪党グループやジョンたちと熱闘を演じるパニック・アクション映画。甲虫たちが出てきてからは延々とドンパチが続くというストーリー性もへったくれも無い内容だが、巨大甲虫たちは単なるデカい虫というだけで大した特徴を持っておらず、そんな連中と主人公たちが狭い洞窟内で戦い続けるだけでは流石に間が持たない。そこで本作では、鉱山内に間欠泉や吊り橋といった豊富な障害物が用意されており、あざといながらも戦いが単調にならないように工夫が施されていた。また中盤以降には巨大甲虫たちが地上にも這い出し、外で待っていたジョンの妻子にも襲い掛かる。こちらの戦う舞台も、森の中から山小屋、廃墟と化した鉱山街と、なかなか変化に富んでおり、さほど退屈さを覚えずに観ることができた。甲虫にやられた悪党たちが、頭を横に真っ二つにされたり胴を切断されたりと尽く壮絶な死に方をする他、撃ち殺された甲虫の粘液が何故かジョンの娘にばかり降りかかってくるといったサービスシーン(?)も盛り込まれており、モンスター好きならば結構楽しめる作品である。
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