女体拷問人グレタ          「評価 D」
コロンビアの山中に、女性の精神異常を治療するための巨大病院が建てられていた。革命軍の一員であるアルコスは、そこから逃げ出してきたというローザを保護する。彼女は病院の私兵に痛めつけられたようで出血が激しく、「拷問はやめて…」とうわ言のように呟いている。その後ローザは病院の所長グレタによって連れ戻されたが、これは何かあると睨んだアルコスは、ローザの妹アビーと協力して病院の内情を探ってみることにした。早速アビーは精神病患者という触れ込みで、病院への潜入を図る。そして明らかになったのは、病院というのはあくまで表向きの顔であり、ここの真の姿は政府の方針に反抗する政治犯を監禁拷問するための施設だということだった…。
変態映画界の巨匠ジェス・フランコが、「ナチ女収容所 悪魔の生体実験」から始まる「イルサ三部作」でその名を馳せたダイアン・ソーンを主役に据えて製作したハードポルノ映画。折角ダイアン・ソーンを出しているのに彼女扮するグレタの絡みは非常に少なく、作中における大部分のエロ要素を担っていたのは、シャワー室でのキャットファイトや治療と称した乱交パーティーなどを繰り広げる名も無き患者たち。これではわざわざダイアン・ソーンを呼ぶ必要があったのかと疑問に思わずにはいられなかった。また本作で観られる拷問は膣内に酸を注入するのを除けば、胸や腹に何本もの針を刺した状態で上から圧し掛かったり、鞭で体中を打ち据えたりと、SM色の強いものばかりで何とも淡白(しかも酸の注入シーンは、カメラのアングルのおかげで肝心なところが全く見えない)。ラストの反乱シーンで「肉を食らう猛獣たち」のイメージを挿し込み、復讐の生々しさを増大させていたのにはジェス・フランコの本領が覗えたが、「イルサ三部作」に比べたら退屈さを覚えてしまう作品だった。

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