ハンドラ 「評価 D」
遥か昔。深い森の奥に、男からの支配を逃れ、女だけで暮らす一族があった。ハンドラは部族の平和を守る腕利きの女戦士だったが、ある日彼女が狩りに出ている隙を狙って男の軍勢が襲撃を仕掛けてきた。そしてハンドラが帰ってきたとき、集落は無残な姿に変わり果てていたのである。その後、男の軍勢を倒して復讐を果たしたハンドラは、新たな住処を求めて石造りの町へとやってきた。しかしそこでは、神官ネパキンらの手によって、女たちが高官を楽しませるための奴隷として扱われている。女を人として見ない非情な奴らに、ハンドラの正義の血が燃え滾った…。
「SFキング・オブ・アーサー 魔剣伝説」「勇者ストーカー」「SFカインの剣」などと並ぶ、80年代前半に量産されたヒロイック・ファンタジー映画の一本。女族モノではあるが「アマゾネス」なんかのお色気映画と違ってウーマン・リブを地で行く内容となっており、決して男に媚びることのないヒロイン・ハンドラの姿が終始肯定的に描かれている。しかしそんなハンドラのアクションがスロー再生の過剰使用のせいで迫力が感じられない出来だったので、結果として女の色気も気高さも中途半端という印象に。更にハンドラが町に入ってからはストーリーが迷走気味になり、「妊娠したハンドラは出産するまでの間、神官たちに見つからないように洞窟に隠れていた」なんてことが簡単にナレーションで流されるなど、妙に引っ掛かる箇所が出てくる。ハンドラの相棒である雄犬(狼?)のビーストが、馬の手綱を口で引っ張ってきたり、ハンドラの危険を前にして怯えて逃げ出したりと、出番が少ない割にマスコットキャラとしての魅力を存分にアピールしていたのが犬好きには嬉しかったものの、それ以外にはさして見所のない凡作だった。
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