フランク・ウォンのあだ討ち 「評価 Ｃ」
コクー先生の下でカンフーを学んでいた青年、フランク・ウォン。ウードー率いるニンジャ軍団によってコクー先生を殺された彼は、何としてでも仇を討たんと彼らのいるアメリカへと渡った。だが、悲しきは田舎者の性。突然大都会に出たものだから、フランクの心はすっかり舞い上がってしまった。気がついた頃には復讐の事なんかすっかり忘れ、アルバイトやテレビ観賞に明け暮れる単なる駄目青年へと変貌していたのである。それに見かねたコクー先生が霊界から葉っぱをかけに来ても、フランクはまるでやる気を示さない。そこでどうにかしてストーリーを進行させようと、敵のニンジャ軍団が御丁寧に彼の家へと襲撃をかけるが…。
退屈すぎて見ることが拷問でしかない映画「悪霊のいけにえ」のDVDに特典映像として収録されている、本編より何百倍も面白いダウナー系ニンジャ映画。８０年代に粗製濫造されたニンジャ映画をよく理解した上でパロディ化しており、冒頭の場面における深い森の中に石造りの建造物という怪しさ抜群なアジアの風景や、ウードーの「ワッハッハハハハ！ ウワッハッハハハハ！」という悪役感抜群な笑い声、そしてクライマックスで繰り広げられるチープな忍術合戦と、ニンジャ映画におけるツボをしっかり押さえた内容に好感が持てた。しかもエンドクレジットの後では勢揃いしたキャスト一同による「バンザーイ！」で締めくくられると来た日には、ニンジャ映画好きとしては感動の涙を流すより他ない。映画の出来はあまり良いものではないが、溢れるニンジャ魂だけは存分に感じさせてくれる作品だった。
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