ドロドロ・モンスター!! 放射線レポーターの復讐劇「評価 D」
新聞記者マイク・ウエーブは、バーリー原子力発電所が放射能漏れを起こしているというスクープを掴んだ。早速原発側にこの事実を公表して彼らの罪悪感を引き出そうとするマイクだったが、スウェル社長の罠にかかって哀れ廃棄物タンクの中へと突き落とされてしまった。更にスウェルと重役達は、この事実を知っているであろうマイクの婚約者・リシェルをも抹殺しようと動き出す。しかし大量の放射性廃棄物を浴びたマイクは全身ケロイドのドロドロ・モンスターとして復活し、愛するリシェルを守るべく重役達との孤独な戦いを開始したのである…。
ヒューストン国際映画祭の金賞を受賞したホラー・コメディらしいのだが、トロマ社の「悪魔の毒々モンスター」シリーズの影響をモロに感じてしまう作品だ。マイクはメルビンと同じようなズルドロな外見をしているし(ケロイド度はマイクの方が高いが)、放射性廃棄物を浴びて変身したという設定も一緒。触れられた人間は大火傷を負い、出す尿は強酸、水槽に入ると水が毒液に早変わりするのもメルビンと同じで、違うところと言ったら主人公が知恵遅れでない点ぐらいのものである。それでいて残虐描写は毒々モンスターに遠く及ばず、例えば重役の一人を粉砕機に放り込むシーンでは、トロマ映画だったら出てくる肉片をじっくり映しそうなところを、本作では血がドバッと飛び出るのが関の山。ブラックなギャグも薄味で、面白かった場面といったらマイクがケロイドまみれの我が子と面会する夢を見るところぐらいのもの。悲劇的なラストには一応の独自色が感じられたが、劣化版毒々モンスターという表現がしっくりくる映画だった。
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