プラネット・オブ・エイリアン     「評価 B」
緑豊かな地球に、シロアリの姿をした異星人が侵略にやってきた。彼らは瞬く間に地上を支配すると、生き残った人間を奴隷にし、自分たちの食料である木材の伐採に携わらせたのである。それから二十年後、アイバンら四人の宇宙飛行士が長期間の冷凍睡眠から目覚め、地球へ帰還してきた。彼らは地上の変わりように愕然とする暇も無く、シロアリたちに捕らえられて他の奴隷たちと一緒に製材所で働かされる羽目になってしまう。しかし製材所にいた老人の話によると、ここからそう遠くない山ではデムスキー合衆国大統領が解放軍を集め、シロアリに対する反撃の機会を窺っているらしい。そこでアイバンらは製材所を脱走し、知り合った仲間たちとともに大統領のいるという山を目指して旅に出るが…。
「エイリアンズ」「エイリアン・ゼロ」「エイリアン・シューター」「エイリアンシンドローム」など、最近やたらと大量にリリースされている異星人映画の一本。モロに「猿の惑星」を意識したような内容だが、製材所での生活から長い旅を経てシロアリとの全面戦争に至るまでの過程がテンポ良く描写されており、意外にもちゃんとした出来の映画だった。終始狭い範囲内での戦争を扱っておきながら、ラストのナレーションでいっぺんにスケールを広げてくれたのも上手い。ただ、旅をしている途中に同志があれよあれよと増えていったり、アイバンが全員の団結を訴える一方で個人を尊重するように促したりと、ギャグなのかどうなのか理解に苦しむ箇所も多々あるのが気になった。
またこの映画に出てくるシロアリ宇宙人(体色はどちらかと言うと緑だが)は、ポール・ブレイズデルを彷彿とさせるデザインが魅力的。また人間の首を引っこ抜いて丸呑みにする他、クライマックスの戦いでは首や手をポンポン飛ばされて文字通り虫けらの如く倒されていったりと、モンスター好きの心をくすぐるカットが頻繁に見られたのも嬉しいところだった(特にシロアリたちの火葬シーンは必見だ)。

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