アクアノイド 「評価 D」
1987年、サンタクララ島のバビロン湾に恐るべき魔物が出現した。アクアノイドと呼ばれるそいつは海中に棲み、海水浴にやってきた若者たちを残忍な手口で殺害していく。その後アクアノイドは一旦姿を消したものの、16年後の独立記念日、再び島へと舞い戻ってきた。かつて母をアクアノイドに殺されたバネッサはその姿を目撃し、町長のウォルシュにビーチの閉鎖を要求した。しかし観光客が集まるシーズンであるが故に町長はそれを快しとせず、「アクアノイドなど存在するわけがない」と要求を突っぱねたのである。更にウォルシュは開発業者や医師と結託し、アクアノイドの存在を隠蔽しようと行動を起こす。それでも負けずにビーチに近づく若者たちへ警告を続けるバネッサだったが、そんな活動も空しく、海にやってきた若者がアクアノイドに殺害される事件が次々と発生した…。
半魚人アクアノイドがリゾートビーチを恐怖に陥れる、海洋モンスター映画。作品の顔であるアクアノイドは、オーソドックスな半魚人といった感じのデザインこそ悪くなかった。しかし脚本の重点は町長たちとバネッサたちとの争いの方に置かれており、アクアノイド自身の出番はそれほど多くはない。更に鋭い爪で若者の体を切り裂いているはずのシーンがどう見ても血糊のついた手で皮膚を撫でているようにしか見えなかったり、爆発シーンでは観ていて引っくり返るほどのショボショボの特殊効果が使われていたりと、まるで緊迫感の無い演出のせいでその魅力は極端なまでに削がれており、とてもその活躍ぶりを堪能するには至らなかったのだ。また撮影には質の悪いデジタルビデオカメラが使われているらしく、手ブレやピンボケは当たり前。中にはデジタル特有のちらつきが生じている場面まであり、その画質の悪さには驚愕となるより他無かった。そしてストーリーも凡庸な上にテンポが悪く、吐瀉物やSEXで場を持たせているという有様。実に評価しがたい、久々に巡り合えた大凡作だった。
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