グーリーズ 「評価 C」
平凡な青年ジョナサンは別居していた父親が死んだことにより、彼が住んでいた屋敷を相続することとなった。早速ガールフレンドのレベッカと共に屋敷を訪れ、中の様子を確認してみるジョナサン。すると魔術書やローブなど、黒魔術に関するアイテムが続々と出てきたではないか。実は彼の父親は禍々しい邪教の徒で、夜な夜な同志を集めては怪しげな儀式を行っていたのである。そうと知ったジョナサンは興味本位で黒魔術の儀式を行うようになり、日に日にその魅力に嵌っていく。そして邪悪な悪魔グーリーズを召喚して絶大な力を得ようとするジョナサンだったが、彼の儀式は同時に、邪悪の権化たる父親をもあの世から呼び戻してしまった…。
「クリッター」「トロル」「まんちぃず」と同様、ヒット作「グレムリン」に肖って製作されたミニサイズモンスター映画。チャールズ・バンド率いるエンパイア・ピクチャーズが製作した本作は「グレムリン」含む他の作品群とは違い、数種類の異なったデザインの小悪魔たちが出てくるのが特徴だ。しかしこの小悪魔たち、デザインは個性的で悪くないのだが、いかんせん各個の出番が少ないのが酷だった。特にクライマックスは殆どジョナサンの父親の独壇場と化しており、小悪魔たちの印象が非常に薄いものとなっていたのだ。エンパイア・ピクチャーズの代表作「パペット・マスター」と同じ感覚で見てしまうと、モンスターたちが思ったよりも暴れてくれないのに少なからず違和感を覚えることだろう。
一方で脚本は、ジョナサンが黒魔術に嵌って思わぬ災厄を招いてしまう過程をテンポ良く描けていたのが良かった。クライマックスになって唐突に屋敷守の正体が明かされるのには驚かされたが、勢いある話運びのおかげで何となく納得させられてしまうのが凄いところ。またこのおかげで観た後の印象もスッキリしたものになっており、オカルト・ホラーとして十分に楽しめる作品となっていたのである。
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