バイオスパン 暗黒の実験       「評価 B」
ベン・ランドは、人間の寿命を延ばす研究を行っている若き生物学者。ある日彼のもとに、自分の考えに賛同してくれていたポール博士が自殺したという報せが舞い込んできた。しかもポール博士は独自に老化を止める技術について研究をしており、その全容を纏めた論文も何処かに存在するらしい。そうと知ったベンは論文の行方と自殺の原因を探るべく、博士の研究室を調べ回ることにした。博士の愛人アンナとの出会いもあり、次第に彼の研究の真相に近づくベン。だがこれによって、ポールが恐るべき実験を行っていたのが明らかになったのだ…。
「スキゾイド」に引き続き、アギ−レ副官ことクラウス・キンスキーがこれでもかと言う位に存在感を示しているSFサスペンス映画。クラウス・キンスキー扮するポール博士は映画開始15分も経たぬうちに死亡してしまう役だが、その後も或る意味反則とも言える手段で登場し続け、終始不気味な雰囲気を漂わせていた。
そして本編の方もストーリーを追うことよりも雰囲気を重視した内容であり、ナチスドイツ占領下の爪痕を残すアムステルダムの街並みといい至る場面で流れる暗澹とした音楽といい、非常に退廃的。アンナの緊縛プレイや街角の仮面売りといった道具立てもバッチリで、変態気味なムードをじっくりと味わうことができた。

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