ファング・オブ・モンスター 「評価 C」
トレジャー・ハンターの二人組テレンスとコリーは雇い主に捨てられて途方に暮れていたところ、パスカルと名乗る老人に出会った。パスカルは二人に対し、キリストの力で蘇ったラザロが身につけていたという石を盗んできてほしいと仕事を依頼してきた。二人は多額の報奨金に目が眩んで迷わず仕事を引き受けたが、実はこの石にはとんでもない秘密が隠されていた。キリストを敵視する恐るべき悪魔マガスが、石の中には封じ込められていたのである。そうとは知らずに遺跡に忍び込み、ラザロの石を盗み出した二人。石が外に出たことによりマガスは解放され、テレンスとコリーは不幸にも彼に立ち向かう羽目になってしまったのだ…。
トレジャー・ハンターと太古の悪魔との戦いを描いたオカルト・モンスター映画。作品の顔であるマガスは普段は人間の姿をしているものの、戦闘時になると本来の悪魔の格好に戻って戦う。本作ではマガスの悪魔としての姿を二種類用意しているが、中でも見物だったのはクライマックスに登場する、ラザロの石を体内に取り込んだ最終形態の方だ。肉食恐竜を人間の体型にしたような金星怪獣イーマを彷彿とさせるフォルムで、胸部の石に魔力を溜め込んで火炎弾を発射するというオマケ機能つき。それまでの戦いは魔法や呪いが中心で、クライマックスだけいきなり怪獣映画っぽくなったのはどうかと思ったが、モンスター好きとしては恐竜タイプの怪物の暴れっぷりが堪能できただけでも眼福モノだった。
しかし脚本の方はというと、展開の緩慢さを下ネタ系ギャグで誤魔化しているような印象であまり感心できなかった。主人公コンビのウイットに富んだ会話や、最終決戦前に清い心を取り戻すため懺悔室に行くくだりなど、時折光る箇所が垣間見えたりもするが、基本的には退屈覚悟で見なければならない作品だ。
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