勇者ストーカー 「評価 C」
凄まじい剣の腕を持ちながら誰のもとに身を置くこともなく、気ままな生活を送る戦士デスストーカー。ある日彼は、王国を簒奪した悪の魔術師ムンカーを退治して欲しいと頼まれた。初めは乗り気でなかったデスストーカーだが、自分がムンカーを倒す宿命を持つ者だと知ると、力の剣を携え彼の城へと旅に出たのである。途中、気さくな正義漢アグリス、裸マントの女戦士カイラたちと知り合いながら、いよいよムンカーの城に辿り着くデスストーカー。折りしも城は闘技大会の真っ最中であり、デスストーカーもムンカーに近づくために大会に参加することを決めた。しかしムンカーの方も彼が持つ力の剣を狙っており、密かにデスストーカーを抹殺する計画を練っていた…。
常に観客のニーズを踏まえた映画作りを心がける男、ロジャー・コーマン。彼はエロだろうがグロだろうが、観客が求めている要素なら何でも盛り込む。何故ならそうした方が売れるからだ。そんな職人魂溢れる男コーマンが中世世界を舞台にしたヒロイック・ファンタジーを製作したんだから、当然無難な内容で終わるはずがない。エロスとバイオレンスをこれでもかと言う位に盛り込んだ、非常にサービス精神溢れた映画となっていたのである。開始早々デスストーカーと若い娘とのねちっこい絡みが出たかと思えば、レイプ、泥レス、乱交と、男の欲求を満たす場面のオンパレード。魔法で女性の体に変えられた男がデスストーカーにレイプされかかるという、マニアック極まりないシチュエーションまで出てきたのには驚かされた。後半には上半身裸のデスストーカーとアグリスとが激しく絡み合いながら戦う場面も用意されており、女性の観客への配慮も忘れていない。また剣で突き刺すと殊更に返り血が強調されたり、デスストーカーの攻撃で悪人の首がスパスパ飛んでいったり、クライマックスには残虐極まりない馬裂きの刑が出てきたりと、バイオレンス要素もてんこ盛り。ストーリーはぶつ切りで終わるのが感心しなかったが、並々ならない数のサービスシーンから、コーマンの映画に対するスタンスを存分に窺い知ることができる作品だ。
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