ゾンビはニュースキャスター     「評価 C」
TV局の人気キャスターであるバリイは、ある日ギャング組織の麻薬の隠し場所を発見した。これは大スクープと大喜びしたのも束の間、彼は即座にギャングたちに追い回され、全身に銃弾を受けて無残な死を遂げてしまったのである。だが運が良いのか悪いのか、バリイの死体は黒魔術を趣味とする清掃婦チャフカによって発見された。そして彼女のダンバラ・パワーによって、バリイはゾンビとして蘇ったのだ。ゾンビを操ることができるチャフカは高給取りのバリイを従わせてガッポリ儲けようとするが、ゾンビに原稿が読めるはずがなく目論見は大失敗に終わる。しかもギャング組織がニュース番組でバリイが出ているのに気づき、再び彼を始末しようとTV局に乗り込んできた…。
脳天気なロック・ミュージックに乗ってゾンビたちが騒動を巻き起こす、コメディタッチのホラー映画。バリイ役のエリオット・グールドが品行方正だった生前のバリイと赤ん坊のような無邪気さに溢れたゾンビとをしっかり演じ分けてくれたので、そのギャップを存分に楽しむことができた。また欲望の塊であるチャフカや、殺人事件を追っていながら常にあと一歩のところで間に合わない刑事と女性レポーターのコンビなど、脇役たちもそれぞれ個性は強いけれど嫌味がないので見ていて心地よい。コメディとしてはラストのオチが弱いのは気になったものの、陽気な雰囲気に溢れた快作である。

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