アンダー・ザ・プラネット          「評価 D」
全米各地で大規模な噴火や地震が続発し、多数の死傷者が出ていた。地質学者のロリンズはこれらの災害がプレートの損傷によるものと知り、政府が資源採掘を行っていた地点がちょうどプレートの損傷箇所と一致していたことから、採掘計画の責任者であるパーマーを激しく非難した。しかしこのままでは地殻の変動は止まらず、やがては地球全体に災害が及ぶことになる。そこで政府はロリンズとパーマーに対し、協力して地殻の修復を行うように依頼した。話し合いの結果、核爆弾によってプレートの傷を塞ぐことになり、巨大な掘削機に乗り込んで爆弾を仕掛けるポイントへと向かうロリンズたち。ところがその裏では、自分たちの失態が明るみに出るのを恐れた政府によって、ロリンズたちの暗殺計画が進展していたのである…。
「ディープ・コア2000」の主人公を石油掘りから真っ当な地質学者に変更した作品。これで本作についての説明は全て完了したといっても過言ではない。掘削機のデザインは「ディープ・コア2000」と似たり寄ったりだし、政府による暗殺計画話は結局あってないようなものだったし、掘削機が爆発を逃れるために海へ飛び出すラストも「ディープ・コア2000」と一緒。まだ「ディープ・コア2000」が製作されてから10年も経っていないのに、ここまでそっくりな内容の映画が作られてもいいのだろうか、と私は本作を観ながらずっと頭を抱えていたぞ。
そしてパニック映画としての出来も、「ディープ・コア2000」に勝るとも劣らない酷いものだったから吃驚するばかりだ。序盤の溶岩の流出やシアトルの地震なんかの場面は、CGが稚拙ながらもパニック映画らしいスペクタクルな雰囲気を感じ取ることができたものの、掘削機が発進してからの災害描写は手抜きの一言。ニュースレポーターが「こんな噴火は前代未聞です」とか「このままだとメタンガスが大量に噴出して大変なことになります」とか口頭で伝えるばかりで、全く危機感が湧いてこないのである。それだけ掘削機の描写に割かれているのかと思えばそんなことは無く、ちゃんと地盤を削っているカットが二、三ある程度で、他のカットは既に掘られていたトンネルをノロノロ進んでいるようにしか見えないという有様だった。冒頭の伏線を生かした気の利いたオチだけは良かったものの、決して褒めることはできない作品である。(それにしても、プライム・ウェーブは何故本作に「ディープ・コア2006」という邦題を付けなかったんだろうか。「ディープ・コア2000」と「〜2002」を配給した会社なのに)

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